合気道の今~1~

敢え申すまでもありませんが、合気道は日本の武道です。
近年はインターネットを通じて映像が出回るようになりましたので
それなりに知る機会も増えましたが、柔道、剣道、空手など一般的な
近代武道の中では修行者も少ない方です。
一方、修行者の数だけみれば海外の方が日本国内より多く、
中でも米国や仏国が代表的です。しかし、各国の主要な武術に
比べれば圧倒的に少数派です。
このように海外は勿論、日本国内でも少数派であることに
価値があると考えています。

開祖が試合を禁じたこともあって、主要な武道武術の中では
知る人も少なく、それを生み出した我々日本人にとっても
特異な武道武術の一つであると云えます。
合気道は開祖植芝翁の多くの弟子が各々伝えてきた事から
指導者(師範)により特徴があり、何をやるかも
その指導者次第であることがこの武道を特異にしている要因の一つです。
又その多様性がこの武道に深みをもたらす要因ともなっています。
更に我々の先祖が機械力を使えない時代にあって、いかに多様で
洗練された身体術と結びついた武術を発達させていたかを端的に示すものでも
あるのです。

表面上の合気道史は既に氾濫しているので、
ここでは開祖の直弟子である先達やその他の修行者から伝えられた
話と我々が修行の中で悟り得た事などを雑談混じりで
少しずつ綴ってみます。